ほくろやできものと思っていたら悪性皮膚がん(悪性皮膚腫瘍)だった
悪性皮膚がん(悪性皮膚腫瘍)は、皮膚細胞に生じたがんの総称です。
基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などがありますが、初期には湿疹のような症状として現れ、またその後もほくろのような形態を成したりするため、「皮膚上の変化に気づきながら受診が遅れてしまう」というケースが見られます。
市販薬などの使用による効果が見られない、ほくろが急に大きくなったというときは、決して甘く見ず、早期にご相談ください。
悪性皮膚がん(悪性皮膚腫瘍)の原因
皮膚がんの主要な原因は、紫外線だと言われています。紫外線を浴びて遺伝子が傷つくことで、発がんのきっかけになります。
その他、喫煙、放射線、ウイルス感染、ヒ素の長期摂取なども、皮膚がんの原因となります。
悪性皮膚がん(悪性皮膚腫瘍)の種類
悪性皮膚がんにはいくつかの種類があります。
基底細胞がん
もっともよく見られる皮膚がんです。
紫外線などを原因として、表皮の最下層である基底層や毛包などをお構成する細胞ががん化します。 黒か黒褐色の盛り上がった皮疹が特徴で、痛み・痒みなどはありません。単なるほくろとよく間違われます。比較的顔面に生じやすい皮膚がんです。
悪化すると大きくなり、その中心部に潰瘍・出血などを起こします。
基底細胞がんの症例
Before
切除手術から11日後
After
切除手術から約半年後
有棘細胞がん
紫外線などを原因として、基底層より1つ上の層、有棘層(ゆうきょくそう)の細胞ががん化します。基底細胞がんの次によく見られる皮膚がんです。
不揃いな形態で赤や褐色の湿疹が現れ、次第に盛り上がり、カリフラワー状になります。またその中心部に潰瘍・出血を起こします。
日差しを浴びやすい顔、手によく見られます。また、ご高齢の方に起こりやすい皮膚がんでもあります。
悪性黒色腫(メラノーマ)
がん化したほくろを指します。
一見して、普通のほくろとは見分けがつきませんが、直径5ミリ以上ある、形がいびつ、色むらがある、急に大きくなった、出血があるという場合には注意が必要です。
悪性皮膚がん(悪性皮膚腫瘍)の治療
手術治療
基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫のいずれも手術での切除が有効です。
有棘細胞がんの場合は、転移の可能性を考慮し、一回り大きく切除します。
放射線治療や化学療法
遠隔転移などがあり手術治療での除去が難しい場合には、放射線治療や化学療法も行われます。
当院ではがんセンターなどの大きな病院をご紹介させて頂いております。